【化粧品かぶれの犯人を探す】

当院にはお顔の肌荒れで来られる方が大変多いのですが、『化粧品が色々と合わないものが多い』と仰る方も多いです。

でも、本当に化粧品でかぶれている=『アレルギー性接触皮膚炎』の方は限られており、大抵は、バリア障害で一時的に化粧品による刺激が出ているだけ。きちんとケアして炎症を薬を使って治してしまえば、皆様『合わない』と思い込んでいた化粧品は使えるようになります。

しかし、一部の顔の赤み、肌荒れ、痒み、の方の中には本当の化粧品かぶれを強く疑う方もいらっしゃいます。
わかりにくいのが、このアレルギー性接触皮膚炎は、化粧品を使い始めてすぐには起こってこない点。
大抵2週間以上はどうもなく使えていることが普通です。数ヶ月どうもなかった、というパターンの方も多くいらっしゃるので、ご自身でも化粧品が悪いとは全く疑ってない方もいらっしゃいます。

顔以上にわかりにくいのは、頭。

ヘアカラーや、白髪染め、ヘアカラートリートメントは、まだそれでもかゆみの症状が強く出るので分かりやすい方ですが、シャンプーやコンディショナーなど洗い流してしまう洗浄剤のかぶれは、症状もあまり強くないため発症してからずいぶん時間が経っていることも多く、患者様も様々なシャンプーを使っていたりするためとても診断に苦慮します。

それを診断できるのは、唯一パッチテスト という検査のみ。

検査期間中4日間は入浴の制限があったり、汗を極力かけない、2回の判定のため受診にこないといけないのが、やや面倒な検査ですが、このテストをすればお使いの化粧品、シャンプーやコンディショナー製品が合うか合わないか、はっきりさせることができます✨

今回、以前より使用している検査試薬『パッチテストパネル』(佐藤製薬)

の他に、敏感肌用化粧品やシャンプーで使用されている成分も取り寄せ、もっと突き詰めた検査までできるよう準備いたしました。

肌荒れが続くので敏感肌用化粧品を使用している方も多いのですが、この敏感肌用に、犯人が隠れていることも多いためです👀
また、通常の製品だけでのパッチテストでは希釈して試薬を作るのですが、これだと原因成分の濃度も低くなりすぎて、陽性に出ない問題もありました。
試薬は通常はなかなか手に入らないため、少しずつ集めていくしかないのですが、かゆいところにちゃんと手が届く検査がしたい。
という、半ば趣味みたいな試薬集めになっております😅

化粧品や洗浄剤、洗髪剤が合ってないのかもしれない。
手荒れの方も洗剤が合ってないのかもしれない。
という方は、既成の試薬と合わせてオーダーメイドでのパッチテストを行っておりますので、ご来院の上ご相談くださいませ。

金属アレルギー検査も同時に可能です。

※パッチテストは保険適応の検査です。接触皮膚炎が疑われる症状がある場合に適応になります。既製品の試薬も併用が必須であり、検査する試薬数で前後しますが3割負担の方で約6500円前後の費用です。

※パッチテストは試薬の準備が必要ですので、初診時には行っておりません。予約制の検査です。

※湿疹の治療中は治療を優先しますので、検査は症状がある程度落ち着いてからになります。